木曜日, 10月 05, 2006

カルメル1幕1場

時は市民革命混乱期。ミサに出かけたブランシュの馬車は、
帰り道、ビュシー交差点で群集に取り巻かれてしまう。
それを見たダマス氏は、ブランシュの兄に事の次第を話す。
心配するブランシュの兄。慌てて父親に報告に向かう。
父親は、群衆に囲まれ恐怖を体験し、ブランシュを産み落とし
そのまま亡くなった夫人の事を思い起こし苦悩するが、
何があろうとも事実をありのままに受け入れられない性質になっている。
そんなところにブランシュの帰宅。
心臓まで凍りつきそうだった恐怖をまだ抱えたまま、
父親に帰宅の挨拶をする。
「あなたの兄上が心配しておられるぞ」
「小さなウサギごときに、ご心配されているのですね。」
ブランシュは明るく振舞おうとつとめるが、
ふと激しい疲労感に追われ、その場を失礼すると言う。
部屋に戻るなら、明かりをもっていきなさいと、
兄は心配する。
部屋に戻ったブランシュは、明かりをつけようとやって来ていた
召使ティリーの影に驚き、悲鳴を上げる。
その足で絶望感とともに、父親の元に逃げ戻るブランシュ。
そんなブランシュを見ても、父親は「大したことがなくてよかった」とそ知らぬ顔。
ブランシュは、何処にも行き場のない恐怖心を抱えきれず、
とうとうカルメル会に入信することを告げる。
誇り高く生きていくようにと諭す父親を背に、
神の御心に全てを委ねて生きていくことが、誇り高く生きることだと
信じたいと言い放つ。
父は無言のまま、しかしながら、入信を認める。

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