木曜日, 10月 05, 2006

カルメル1幕2場

コンピエーニュのカルメル派修道院の面会室。
ブランシュは、院長に入会を申し出るためにやって来た。
格子越しにやってきた院長は、車椅子。
高齢で体の具合が悪そうに見える。

院長は、厳しい言葉でブランシュの入会への決意を確かめる。
ブランシュは、その決意がゆるぎないことを懸命に伝える。
入会の理由を聞かれ、一瞬戸惑うブランシュ。
恐怖心から逃れたいためという真実を口にできず、
殉教さえも厭わない英雄的な生き方に憧れたと、見栄を張る。
院長はそういう生き方が簡単に手に入ると思ったら大違いだと諭す。
ブランシュは、ただ、自分に打ち勝って生きたいと告げる。
院長は、会の方針について、厳しく説明する。
常に「祈る」ということが、カルメル会の真髄であることを。
そしてブランシュにはつらい日々が待ち受けていることを。
「神が力をお与えになりますわ」と返すブランシュ。
「神が試されることは、力でなく、弱さなのです」
ブランシュは、自分の弱さを省みて思わず嗚咽する。
「私が泣いているのはむしろ嬉しいからです。厳しいお言葉も、
あなた方のほうへ行くことを止められはしないのです。
・・・・実のところ、私には他に道がないのです。」
「私たちの規律は、あなたの拠り所ではありません。
私たちが規律を守っていくのですから・・
ところで、入会後の修道女名は、もうお考えですか?
・・きっとまだですね」
「もう決めました。私は、キリストの聖なる臨終のブランシュを希望します」
院長はこの言葉にピクリと動揺する。

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