木曜日, 10月 05, 2006

カルメル2幕幕間

ブランシュとコンスタンスは、亡き院長の墓に捧げる
花の十字架を作り終えたところ。
「ブランシュさん、この十字架は大きすぎるわ。
院長様のお墓はこんなに小さいのに。」
「残ったお花はどういたしましょう?」
「そうね、新しい院長さんに花束をつくりましょうか?」
「メールマリーはお花を喜ばれるかどうかわからないわ」
「まあ!そうなるといいわね!」
「お花をお好きだと・・?」
「いいえ、ブランシュさん、私はあの方が院長に選ばれたらって。」
「あなたは神が何でもかなえてくれるとお思いなの?」
「何故いけないの?偶然といわれるものだって、神様のご意思よ。
思い起こして、ブランシュさん、院長様の死を。あんなに苦しまれて・・
まるで神が死を与える相手を間違えられたようだわ。
別の人の洋服と間違えてしまったように・・
あの死は、院長様には袖が小さすぎたのね。
「他の人の死!何がおっしゃりたいの?コンスタンスさん」
「たぶんその人は、死を迎えたとき、とても安らかだったでしょう。
人はそれぞれ自分の死を迎えるのではなく、互いのために迎えるのです。
ほかの人の変わりになくなる事だってあるのではないかしら?」

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