火曜日, 4月 25, 2006

人間の声 雑記

女が落ち着かないとき、
女が途方に暮れているとき、
女が訴えているとき、
女が取り繕うとき・・・・

女は死んだように床に倒れている。
やがてむっくり起き上がる。
乱雑に放ってあるマントをまさぐり取る。
電話の前までそのまま歩く。
立ち止まって電話を見つめる。
感情があふれ出し、
戸口のほうへ駆け出す・・

電話 ・・ 急いで駆け戻り電話を取る。
間違い電話・・ただ苛立つ。
電話・・・ 苛立ちの局地・・
女は頭を抱えて座り込む。
電話・・ 男から、立ち上がる。
女は取り繕い続ける。
右、左、後ろ、とひっきりなしに歩き回る。
「大丈夫なのか」と聞かれてふと立ち止まり、
そして「がんばっているのよ」と言いながら座り込む。
そのあとも同様に取り繕う。
「あなたは?あなたは何をしているの?家?」
と問い詰めるところで、電話のほうにじっと向かう。
「もし切れたら・・」電話のおいてある台にしがみついて、
訴えかける。
男の荷物の話になって、女は椅子にすわる。
放心状態になっている。

続く

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